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みなさんこんにちは、深沢千尋です。(公式ページ
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マイルスはこの順番に聴け!(3)『Parisian Night』~ぼくのアルバム ベスト100(3)~

腕立て伏せにかまけて少し間が空いてしまったが、今日は3枚目。
『Parisian Night』である。
parisian.JPG
さて、これはブートレッグである。
もともと長靴に密造酒を入れて運んだのが語源とされているが、要は海賊盤である。
なにィ~? と眉をひそめる道徳的に正しい方もいると思うが、まあ聞いてください。

世の中にブートというと2種類あると思う。

(1)
・いわゆる売ってるレコードをコピーして
・ホンモノより安い値段で売っていて
・安いから売れるもの



(2)
・いわゆる売ってない音源(ライブの違法録音、ボツ音源の横流し)を編集して焼いて
・ホンモノより高い値段で売っていて
・手に入らないから買うもの

である。で、(1) は許せない(愛するミュージシャンの権利の侵害だから)とぼくも思うが、問題は (2) だ。

有名な中山康樹の『マイルスを聴け!』だが、文庫で1680円。473枚も紹介されている。これ、中身がほとんどブートなのだ。しかも、年々枚数が増えている。マイルスはとっくの昔に死んでいるのに、だ。毎月増えている。

たぶんマイルスの公演は全公演、誰かしらが録音しているのではないか。で、「何年何月何日の公演はまだ出ていないな。よし、出そう!」ということで、半ばムキになって出しているのがブート業者ではないか。

マーカス・ミラーの公式サイトにはブートについての意見が載っていてこう書かれている。(摂訳はぼく)

>あなたのブートレッグに関する意見を教えてください。

>エリック・クラプトンがぼくに語ったところによると、ブートレッグは成功の副産物だそうだ。
>ぼくもこれは正しいと思う。
>ぼくがその存在を知ったときは、
>まだガキだったんだが、自分でも買いたいと思った。
>どこで売っているか知っていればね!
>でも、自分が演奏するときは、警備員を雇って、
>デジタル・レコーダーを持った泥棒猫どもを
>すぐに捕まえられるようにしようと思ってるのさ。
>そうやすやすとやらせはしないぜ!

で、面白いのだが、同じサイトに今日紹介する『Parisian Night』の紹介が乗っている。

1982年5月3日、フランスはパリ、テアトル・ド・シャトレ? での演奏。
PA の故障があったので、マーカスはビルのテナー・サックスを借りて「ジャン・ピエール」のベースラインを吹いている、と書いている。どうです面白そうでしょう。

ぼくが中山氏の『聴け』を読んで、このCDの存在を知り、アーこれ買わなきゃ、聴かなきゃと思って渋谷の「マザーズ」に行った日を思い出す。場所が超分かりにくいのだが、根性でたどり着いて欲しい。日曜休みです。ネットはやってない。電話はある。

そこに万札を握り締めて行った。アー上京したての頃、ツェッペリンのブート(レコード)を探して西新宿に行った頃を思い出す。
入ってびっくり!
人ひとりようやく通れる通路を残して、CDやDVDがうずたかく積まれている。
パッと思ったのは、ホントに失礼なんだけど「なんかの事件起こした人の部屋・・・」というものだった。
店番の人がか細い声で「探してるのがあったら教えてください・・・」と言った。

置いてるのはマイルスだけじゃなくて、マザーズというぐらいでザッパ、あとプリンス、クリムゾン、そしてブートといえばこの人たち(イヤな“といえば”だなー)、ツェッペリンのCDがうずたかく積まれている。ツェッペリンは20枚組ぐらいが事務用のバインダーに入ってるのとかある。どんだけ熱心に聴けばいいんだよ。これ、ジミー・ペイジが来日したらうれしそうにどんどんタダで持っていって、サイン一枚置いていくと聞いたけど本当か。

さてマイルス。でも、題名とデータを知ってたからと言って、スッと探せるものではない。なにしろ平積みにしてあるのである。ここは勇を鼓して店番に聴く。

 俺:あのうマイルスなんですけど・・・
 店:ハイ
 俺:パリジャン・ナイトっていう
 店:いつごろですかねー
 俺:マーカスがベース弾いて、ジャン・ピエールをやっている、フランス公演で途中で停電になって。
 店:82年ですね
 俺:ええ(たぶん)
 店:うーん、どれですか(中山氏の本を差し出す。話が早いな!)
 俺:ああ・・・コレ、これ
 店:あー
 俺:ありますか
 店:うちにないものはないんですけど、ちょっと探すのに時間が・・・
 俺:探してもらえますか
 店:ちょっとお待ちください

店がヒマなときでよかったよ。本当に「探す」という言葉がピッタリの探し方。1枚1枚、これでもないし・・・これじゃないよな・・・みたいな探し方。

でも数分で見つかった。

 店:これですね・・・ジャケット違うけど。音がちょっとよくなってるんで

気になるお値段は5千円! 高い! でも買った。

家に帰るのももどかしく、開封して驚いた。盤面が青い! 明らかにCD-R!!!
チープさ、暴利さ、アコギさに腹立つよりも、1枚、1まい焼いている人の苦労が偲ばれる。

音楽は iPod に入れてから聞くほうなので、パソコンに入れて驚いた! 曲名が出てくる!!!
CDDB に登録してる人がいるのか。まあそんなに驚くことでもないのか。
でも目からウロコが何枚も落ちる夜である。

聴いて驚いた!(もううるさいって!!)音が悪い!!!

イヤー、期待して聴いたらガッカリすると思うよ。
ときどき思い立ってコンサートを違法録音して(いかんがな)家で聴こうと思うんだけど、ああいう感じ。
なんか「しゅわー」という雑音の中で狭い音域で音が鳴っている感じ。
欲しい人は覚悟して買ってください。

1曲目は「Back Seat Betty」。
この曲名はオープニングがギターで「じゃーん」のことを指すようで、そのイントロは一緒だけど中身は『Man With The Horn』とは違う曲。
復帰第3作『Star People』の1曲目にもライヴ録音が入っている「Come Get It」と同じアレンジのようだ。

この曲、ほとんどマーカスのベースが聴きどころのような曲だが、めちゃくちゃ面白い。最初は普通の曲なのだが、どんどんキーが変わっていく。ナニコレ気持ち悪い~この混沌とした感じがたまらない。

2曲目は「My Man's Gone Now」3曲目は「Aida」(『We Want Miles』の「Fast Track」。ややこしいな)と、ここまでは『We Want Miles』に入っている。ということで、ここまでは公式盤で手に入る。

が、公式盤とははっきり違うものがある。
まず、マイルスの演奏が下手!
音が外れるはずれる。

あと各人のソロが長い!
『We Want Miles』がいかにテオ・マセロの編集が入っているかがよくわかる。
でも両方聞くとこれが面白いのである。
同じ曲をいろんなヴァージョンで聴く、いろんな音楽を角度から分析する喜びがここにある。
だから毎月何枚もブートが出ているのだろう。

ここまでで1枚目が終わり。ちなみに2枚組。

2枚目の1曲目は「Ife」。
イフェという曲は「ドドドド、ドドドド」というベースラインのことである。
これに適当に不吉なソロを各人重ねていく。
中山氏も「これって曲なんだろうか」と書いていたが、その疑問もうなずける。
でもこれをマイルスが気に入って、70年代から演奏していた曲。

で「Fat Time」。
復帰第1作『Man With The Horn』のオープニング曲を、ぶっ速く演奏する。
これがカッコいい!
この頃にはこっちの耳が高性能になっていて、音の悪さは完全に気にならなくなっている。
スパニッシュな感じのソロがたまらない。
熱いよマイルス!

で、この曲が最高潮、ノリにノってる時に、急にブツンと音が小さくなる。
停電らしい。

すぐに復旧するとみんな思っているのだろう、しばらく演奏は続行する。
バアァッ、とマイルスが吹く音が遠くで聞こえる。

演奏は途中で中断。
マイルスが何かやっているらしく、客席から笑い声が起こる。

で、ここで上の説明にもあったが、ミノ・シネルのパーカッションに合わせて、マーカス・ミラーがテナー・サックスでベースラインを吹き始める。
マーカス・ミラーは自分のアルバムでもバス・クラリネットを吹いたりしていた。
この人は「ひとりギル・エヴァンス・オーケストラ」と言われるぐらいトッド・ラングレンとかプリンスばりになんでも出来る人。

で、マイルスが「ジャン・ピエール」を吹き始める。
強制アンプラグド・ヴァージョンだ!

で、この演奏が小さい音ながらに盛り上がって(そりゃ盛り上がるわ!)、終わった後、停電が直って、改めてエレキ入りで「ジャン・ピエール」。
本当はこうやるんですよ、みたいな!?(^^;
ところが今度は違法録音してる人の電池がなくなったみたいで途中でフェードアウト。なんやそれ!!!

ということで『We Want Miles』=>『Man With The Horn』=>『Parisian Night』。
これがぼくのおすすめする順番だ。
同じ曲を公式スタジオ盤、公式ライヴ盤、非公式ライヴ盤で聴き比べる。
マザーズの行き方も覚える。
あとは聴きまくるだけ!

ちなみにブートはネットで買ったほうが圧倒的に安いしラク。
店の名前は書かないので各自検索してください。

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