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みなさんこんにちは、深沢千尋です。(公式ページ
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マイルスはこの順番に聴け!(1)『We Want Miles』~ぼくのアルバム ベスト100(1)~

さてブログだが、何を書けばいいのだろうか(もう!?)。

人のブログを読むと、書評とかCD評とかあって、あれはなかなか役に立つ。
自分が好きな本Aを褒めている人が、知らない本Bを褒めていると、Bも読んでみようかな、となり、本探しの役に立つ。
ブログをやってる人みんなが好きな本、好きなCD、好きな映画を紹介しあって、好みが似た人同士お互いに教え合うとイイと思う。
ということで、書くことがないときは好きな本かCDか映画かDVDか食い物屋か・・・の話を適当に書けばいいんじゃないだろうか。

まずは好きなCDを書く。
好きなCDと言っても、ぴあテンともあテンみたいなもので、ここ1年のベストCDというのと、生まれてから一生のうちの今のところのベストCDがあるだろう。
今日ご紹介するのはぼくの生涯ベストCDのうちの1枚、Miles Davis『We Want Miles』だ。



ここ数年は音楽はほとんどマイルス中心だ。何かというとマイルス。辛いとき、苦しいとき、楽しいとき、暇なとき、ぼうっとしているとき、すぐに聴いている。

マイルスが好き、とか、今マイルスを聴いている、と言うと、ジャズが好きなんですか、シブいですね、みたいに言われるが、これがあまり座りがよくない。ぼくはマイルスが好きなんであって、ジャズが好きなわけではない。というかほとんど聴いていない。
さらに言うとマイルスに関してもいわゆる「電化マイルス」「エレクトリック マイルス」と言われる、『Miles in the Sky』あたりからが本当に好きで、あまり昔の4ビート時代のマイルスは聞いていない。

本当に好きなのは『Agarta』『Pangea』(2枚合わせてアガパンなどと言う)『Dark Magus』などの74年~75年のバンド、マイルスが自分でオルガンをジャー、と弾いてる頃である。ただ、何かご縁があってこのブログを読んでくれていて、ここでひとつマイルスを聴いてやろうかという人にこれらのアルバムや、名盤と言われる『Bitches Brew』を勧めようと思わない。これらのアルバムは皆名盤で、そのうちマイルス好きが病膏肓に入り、脳がマイルス化するとこれらのアルバムはすべて聴くことになり、ひいひい言いながら毎日聴き続けることになるのだが、いきなりこれらのアルバムを聴いても、わけがわからないと思う。普通にポップスのアルバムを聴くつもりで聴くと、どこからどこまでが1曲で、どこを聴いていいかわからないと思う。

特に『On The Corner』は勧めない。このアルバムはヒップホップの元祖と言われていて、レコード屋でもポップとか貼ってあって買いそうになる。確かに後のヒップホップのループ音源になっているし、音楽自体もヒップホップの重要な先祖のひとつと言えると思うが、最近のヒップホップを調子よく聴いている人がこのアルバムをいきなり聴いてもわけがわからないだろう。もちろんこれもそのうち愛聴盤になるが、これから入るのは無茶だ。騒音にしか聴こえないと思う。

そこで『We Want Miles』である。マイルス後期の傑作だ。

まず1曲目の「Jean Pierre」。この曲は本当にシンプルで分かりやすい。どれぐらいシンプルかというと童謡の「カエルの歌が」というのと同じぐらいシンプルである。おそらくジャズ界でも随一の分かりやすさ。

ところがこれがカッコいい。晩年のマイルスの頼もしい相棒になっていくマーカス ミラー、当時まだ20代のド新人だった彼の力強いベースと、70年代からマイルスを支えてきたアル フォスターのドラムに導かれて、マイルスがメロディを4小節吹いたところでガツン! とアタックが入る。カッコいい! ここで脳がマイルス化される。今まで何十年生きてきて、脳の中で眠っていたマイルス器官が一気に覚醒され、マイルス脳内物質がドクドクと分泌される。こうなったらしめたものである。

そして3曲目の「Fast Track」がスゴい。この演奏はマイルス全体の中でも、全音楽の全演奏の中でも白眉の凄まじい演奏。
まずマーカスのベースが「My Man is Gone Now」(ガーシュウィン作曲)という全然違う曲のイントロをゆっくり演奏し始めたところで、マイルスが「Aida」というど派手な曲のイントロをぶっ速く演奏する。この裏切り方がすごい。

「Fast Track」は「Aida」という、前のアルバム「The Man With The Horn」に収められていた曲の倍速バージョンだが、この中にアクション映画のようにいろいろなイヴェントが仕掛けられている。

アル フォスターが叩きまくるシンバルの音が「しゃーんしゃーんしゃしゃしゃーん」「しゃーんしゃーんしゃしゃしゃーん」「しゃーんしゃーんしゃしゃしゃーん」「しゃしゃしゃーんしゃーんしゃーん」と金粉をバケツでぶちまけるように響く当たりから、この曲の尋常でない盛り上がりが感じられる。やがてドラムがミノ シネルのポコポコポコポコ・・・というマグマが沸騰するようなパーカッションに引き継がれ、ベースとギターのキメがドゥーンと入り、その後、絶妙なタイミングでシンバルがカシャーン! と鳴る。このドゥーンからカシャーン! までの間がたまらない。ドゥーン、カシャーン、最高。

そして終盤、マイク・スターン(ド新人!)のギターが「チュイーン チュイーン」「チュイーン チュイーン」と鳴る。なんだこの音は! なんだこの過激な演出は! かっこよ過ぎますから!

1981年の作品。この直前、スタジオ復帰作『The Man With The Horn』を出すまで、マイルスは6年間の長いブランクにあった。復帰後も体調は最悪で、新宿西口で演奏した映像ではヨタヨタしていてもうおじいちゃんやめて! 死んじゃう! という状態。この後マイルスはマーカスとのコンビで見事な復活を果たし、次々と傑作を出すのだが、とにかくこの頃は調子が悪かった。

その当時の演奏を見事に蘇らせたのがプロデューサーのテオ マセロ。1959年のギル エヴァンス オーケストラとの作品『Sketch Of Spain』から、30年に渡ってマイルスとコンビを組み続けたテオ。今年3月に亡くなった彼が、複数のコンサートのテープにハサミを入れまくり、いいとこどりをして完成させたのが『We Want Miles』だ。事実、同じ頃のノーカット版の音源も何種類か入手できるが、非マニアのファンには勧められない。なお、中山康樹氏のガイド ブック『マイルスを聴け』によると、上の「Fast Track」はテープ操作でスピードアップされているんじゃないかという話。なるほど~・・・。

編集の手が入っている、というと拒否反応を示す人も多いが、テオを信頼し、テオに編集を依頼したのもマイルスなのだ。つまり、テオの編集も含めてマイルスの意志、マイルスのパフォーマンスであると捉えるのが妥当である。テオの編集を嫌う人も多くて、確かに昔のアルバムを聴くと急に曲がブツッと変わってアレッと思うのだが、それはそれでカッコいい、と思うことさえある。「風呂入っててもメシ食っててもジャズだ」とは渡辺貞夫さんの名言だが、マイルスのアルバムは、テオのときにゾンザイな編集も含めてマイルスなのである。

これに対して、マイルスの死後は遺族の金策の都合で無編集のセッション集のボックス セットも数多くイッシューされている。だが聴いてみると結構ガッカリする。ダラダラしていて、脈絡がない。カッコよくないのである。テオも「ゴミを売っている」と激しく批判していたそうだ。

ではこういう無編集の音源を聴かずに済ませていいのかというと、そうもいかない。たとえばテオが編集しまくって作った2枚組の『Live Evil』と、そのもとになったライヴをノーカットで収めた6枚組『Cellar Door Sessions』だが、どっちも捨てがたい。どっちも必要なのだ。しかし、そんなのはだいぶ先になってからの話。

とにかく『We Want Miles』、おすすめだ。テンションが高くて、カッコいい。聴けば脅迫的に元気になる。マイルスはここから聴け!
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