次はRemember The MilkのようなWebツールに走った。しかしサーバーが不安定なのと、うちの回線(CATV)が細いので断念した。しかし、デジタルツールを使うのならサーバーとの同期を考えるべきだ。場所を移しても、PCを変えても同じデータにすぐアクセスできるようにしないとやってられない。世間の人はUSBメモリを持ち歩いているそうだが、最近はDropboxというのが最強だ。
ヴィンス・ウィルバーンはマイルスの甥で、蟄居中のマイルスの家を何度も訪れて「おじさん、音楽を教えてよ」とせがんでドラムを習い、それが復帰のキッカケになったというちょっとイイ話。ちなみに3曲目、5曲目の作曲に参加した Randy Hall という人はヴィンスの幼馴染で、当時流行していた AOR みたいな音楽をやるミュージシャンだそうだ。まだ聞いていないがこういうアルバムもある。
こんな曲を聴いていると思うのだが、ジャズは「カッコいい音をただカッコよく出すだけの音楽」ではないか。そこが魅力だと思う。巷間あふれるポップスは、とっつきがいいけど、いろいろ手続きがある。音がいっぱい入っていて、歌詞があって、ジャケットとかヴィデオ・クリップとか凝っていて、初回特典の DVD とか小ざかしい物がついていて、耳慣れた安全な、無難な音楽にするための約束事がいろいろくっついて来る。
内容は「添付メールを参照してください」と言ってゲラを PDF で送って来るのはやめてください、というもの。確かに。ゲラはしょうがないかなとも思うが企画書はちょっとね。「ゲラであってもベタテキストはベタテキストで本文に含めてくれ、そしたらそこに校閲を入れるから」とのこと。それもなるほどと思う。ちなみにぼくなんかヒマでヒマでしょうがないから PDF をスクリーンショットで取ってペイントブラッシュでコメントを入れているが、確かにベタテキストを PDF と同時配信してくれたら確かにそれはそれで便利だなあとも思う。
説教は一言も書かない。そのかわり検索してリンクを張るまではやってあげた方がよい。たとえこっちが DNA とは何かすでに知っていたとしても、最近 DNA についてぼくにメールして聞かざるを得ないほど切迫している人がいるらしいことは事実なので、この際だから DNA について振り返っておいた方がいいのだ。場合によっては Microsoft DNA とかいう新製品が話題になっている可能性もある。
あと、こういうパターンは
Subject: Re: DNA (Re: 質問です
などという題名の変更はしてやらないことが多い。「~とは何ですか」などという質問はググればわかる、ということこそがこのスレッドの主題であって、DNA についてではないのだ。この場合は題名を編集してしまうと DNA についての実のあるスレッドとこのスレッドが題名ソートで並んでしまう。
上に引いたウィキペディアの記事には「なお、破壊された物品に残された傷跡から「バールのような物でこじ開けた跡が…」といった報道がされることがあるが、逆に「バールでこじ開けた様な跡」とはあまり報道されないようである。これは、その跡を残した器物が不確かではあっても、「こじ開けた跡」があること自体は確かだからである。」という穿ったことが書いてあって面白かった。しかし、怪人が怪力で普通に開けた可能性もぬぐいきれない以上、「バールか何かで抉じ開けたように見える痕」と書くのが正確だろう。ちなみに Wikipedia には跡と書かれているが、この字を見ると「城跡」という言葉を思い出す。アトは MS-IME のサジェスト機能によると痕が正しいようだ。
たとえば On weekdays, I receive an average of 50 orders a day from all over the globe via the internet. という文があったとする。現在形の普通の文で、そんなに難しくない。これ、テープを聞きながら、テキストを見ながら読んでみると(これをサイマル リーディングという)、誰でもスラスラ読めるだろう。(ちなみに上の文は有名な教材『ALL IN ONE』より)
先にあげた『ALL IN ONE』は各スキットを mp3 ファイルにまとめてくれている。各10秒ぐらい。1個目の例文は He grinned and said, "I make lots of money. On weekdays, I receive an average of 50 orders a day from all over the globe via the internet. というもの。まだ長い気がするが、これだけシャドウイングできるようになると結構脳の筋肉が鍛えられる。これが 419 個、ナチュラル スピード(普通の英米人のスピード)とスロー スピードの両方が収められている。合わせて 838 ファイルだ。ぼくは一応ナチュラルだけで済ませているが(エッヘン)、しばらく英語に触れていなかった方はスローで始めた方が実際的かもしれない。
この、各例文がバラバラに mp3 で入っているかどうかが重要で、これだけで『ALL IN ONE』を選ばざるを得ないというのが現状である。世評の高い『DUO』とかも試してみたいのだが、オーディオ CD しかないのでたぶんある程度例文がくっついて収録されているのであろう。それだとウォーキング英会話には向かない。実は『ALL IN ONE』にはいろいろ問題点というか不満もあって、それはそのうち書くが、とりあえず今は『ALL IN ONE』と心中、というつもりで使っている。
これが能率がいい。家で勉強をやっているとどうしても気が散る。最近は Web という気を散らせる装置のようなものが用意されているので、あっという間に気が散る。それに、散る気を押さえつけて家で英語の練習をしていると、気が塞ぐ。なんでこんなことを毎日やってるんだろう、と自分がイヤになってくる。あるいは眠くなってくる。
マイルスが好き、とか、今マイルスを聴いている、と言うと、ジャズが好きなんですか、シブいですね、みたいに言われるが、これがあまり座りがよくない。ぼくはマイルスが好きなんであって、ジャズが好きなわけではない。というかほとんど聴いていない。
さらに言うとマイルスに関してもいわゆる「電化マイルス」「エレクトリック マイルス」と言われる、『Miles in the Sky』あたりからが本当に好きで、あまり昔の4ビート時代のマイルスは聞いていない。
特に『On The Corner』は勧めない。このアルバムはヒップホップの元祖と言われていて、レコード屋でもポップとか貼ってあって買いそうになる。確かに後のヒップホップのループ音源になっているし、音楽自体もヒップホップの重要な先祖のひとつと言えると思うが、最近のヒップホップを調子よく聴いている人がこのアルバムをいきなり聴いてもわけがわからないだろう。もちろんこれもそのうち愛聴盤になるが、これから入るのは無茶だ。騒音にしか聴こえないと思う。
そして3曲目の「Fast Track」がスゴい。この演奏はマイルス全体の中でも、全音楽の全演奏の中でも白眉の凄まじい演奏。
まずマーカスのベースが「My Man is Gone Now」(ガーシュウィン作曲)という全然違う曲のイントロをゆっくり演奏し始めたところで、マイルスが「Aida」というど派手な曲のイントロをぶっ速く演奏する。この裏切り方がすごい。
「Fast Track」は「Aida」という、前のアルバム「The Man With The Horn」に収められていた曲の倍速バージョンだが、この中にアクション映画のようにいろいろなイヴェントが仕掛けられている。
1981年の作品。この直前、スタジオ復帰作『The Man With The Horn』を出すまで、マイルスは6年間の長いブランクにあった。復帰後も体調は最悪で、新宿西口で演奏した映像ではヨタヨタしていてもうおじいちゃんやめて! 死んじゃう! という状態。この後マイルスはマーカスとのコンビで見事な復活を果たし、次々と傑作を出すのだが、とにかくこの頃は調子が悪かった。
その当時の演奏を見事に蘇らせたのがプロデューサーのテオ マセロ。1959年のギル エヴァンス オーケストラとの作品『Sketch Of Spain』から、30年に渡ってマイルスとコンビを組み続けたテオ。今年3月に亡くなった彼が、複数のコンサートのテープにハサミを入れまくり、いいとこどりをして完成させたのが『We Want Miles』だ。事実、同じ頃のノーカット版の音源も何種類か入手できるが、非マニアのファンには勧められない。なお、中山康樹氏のガイド ブック『マイルスを聴け』によると、上の「Fast Track」はテープ操作でスピードアップされているんじゃないかという話。なるほど~・・・。
ではこういう無編集の音源を聴かずに済ませていいのかというと、そうもいかない。たとえばテオが編集しまくって作った2枚組の『Live Evil』と、そのもとになったライヴをノーカットで収めた6枚組『Cellar Door Sessions』だが、どっちも捨てがたい。どっちも必要なのだ。しかし、そんなのはだいぶ先になってからの話。