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みなさんこんにちは、深沢千尋です。(公式ページ
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ここでは、多くは技術的でないこと、ごくまれに技術的なことをなげやりに書いていきます。
メールは suguwakaruPerl@gmail.com まで。(アットマークは ASCII に)
Twitterはじめました。@query1000です。よろしく~

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⊿:△

こんなフツーのブログを書いていいのかよという気もするが、一応買ったと書いた手前、Perfumeのアルバム「⊿(トライアングル)」の感想を書く。



まず楽曲は良い。
アイス「pino」のCMソングに代表されるが、マイナーコードで速い曲がたくさん入っているのがうれしい。
あと歌謡性のある曲、YMOを意識した曲が多くてうれしい。
ニヤニヤしてしまった。
終盤でラテン風になるのとかすばらしい。

ミックスに難がある。
音楽はほとんど iPod に入れて電車の中や街を歩きながら聴くことが多いのだが、このアルバム、意外と聴きづかれるのである。
中田さんちのパソコンの内容をそのままダンプしたような感触だ。
電子音を出す機械を耳に押し付けている感じがするのだ。
いや、電子音ばっかりで全然かまわないのだが、もう少し空間感を感じられるミックスにしてもらいたい。

YMO(およびスネークマンショー)はウォークマン(当時)で聴くことをすごく意識したミックスだったと思う。
いま音楽を聴く人はすごくiPodで聴くことが多いので、もっとそれを意識したミックスにしたらいいと思う。
あと、これはJ-POP全体にいえることだが、BPM値が高い。
こんなに速くて踊れるのだろうか。

アルバムの内容としては、ファーストアルバム(&ベスト)>前作『GAME』>今回の順に前の方が好きである。
ファーストアルバム、最初の曲が「パーフェクトスター・パーフェクトスタイル」でこれがショックなほどカッコよかった。

しかしPerfumeは好きだ。
さっきテレビの「MJ」でpinoの歌を踊っていたが、すごくよかった。
ラストに手を振ったりするのが非常にかわいい。
ああ、あ~ちゃんは可愛いなあ~。(あ~ちゃん好き)
「都議会選の結果」とかテロップで出しているのが超ムカつくんですけど。
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テーマ : 雑記 - ジャンル : その他

別の用があったのだが、渋谷のタワーレコードに行くと、J-POPのフロア全体に伸びる列が出来ていた。
今日はCDがよく売れる日だなーと思ってその最後尾につくと、店員に注意された。
そっちは売り場の列ではなくて、Perfumeの⊿(トライアングル)の予約引き換えの列だったのである。



すげえなPerfume!
いきおいに負けてぼくも買った。
いや、どっちみち買うのであるが、
売り場の列も同じ行動を取った人でかとても長かった。
ちなみにこの日、タワレコではどのフロアでもPerfumeの予約引き換えが出来た。
店の前でも特設予約引き換え場が出来ていた。
大丈夫かPerfume。
タワレコを見回した限り、時代はPerfumeのようだった。
Perfumeとあとマイケル・ジャクソンな。
YMOが再結成するという話だが、若い人がやるインターネットの世界では「おじいさんのPerfumeだな」「歌はPerfumeにしてカラオケを担当しろ」とかさんざんに言われているようだ。
ちょっと面白い。
暴論だが、PerfumeもYMOも音楽的にちょっと(あえて)安くしている。
そこがいいのだ。

オープニング、love the worldの前に前奏がついていて盛り上がる。
でも今聞くと興奮して眠れなくなってしまうので明日にする。

テーマ : 雑記 - ジャンル : その他

マイルスはこの順番に聴け!(4)『Live Evil』&『Cellar Door Session』~ぼくのアルバム ベスト100(4)~

さて、『マイルスはこの順に聴け』の4回目である。

基本的に、ぼくがそうだったような、世間に多いであろうロック中心に洋楽を聴いている人がマイルスにどっぷりハマるにはどの順で聴くのが早いか、を考えて書いている。

分かりやすさで言うと80年代のポップな作品『Star People』『TUTU』『You are under arrested』だろうが、分かりやすすぎてシャラッとしている。どのアルバムも愛聴しているしマイルスらしさも横溢していると思うのだが、いきなりこれらを聴いてもそのマイルスらしさが感じ取れずに流して聴いてしまうと思う。
それよりも「最初聴くと分からなかった」「何回か聴くと分かった」という過程を踏んだほうがやはりハマると思うので、ある程度ガツンと手ごたえのある作品を選んだ。

また、同じ曲を公式スタジオ盤、公式ライヴ盤、非公式ライヴ盤で聴き比べることで、テオ・マセロの編集の妙、そして未編集盤の味わいと、ライヴ/スタジオ盤の演奏の違いを聴き比べるのも楽しいと思った。

さて、これまで80年代の作品を紹介してきたが、マイルスの頂点はやはり70年代、具体的に言うと1974~5年だと思う。ではなぜ80年代の作品を先に紹介したかというと、いきなり70年代の作品を聴いても訳が分からないのではないかというのがひとつ、もうひとつは、矛盾するが、まず70年代の作品に親しんでしまうと80年代の作品が物足りなくなってしまうので、それももったいないのではないか、ということがあった。

個人的な感想だが、80年代のマイルスはツマラナイ。これはポップな作品ほどそうで、分かりやすいレコードは退屈で飽きてしまう。でもこれ、音楽全体がそうなのだ。これは、デジタル・シンセサイザーがよくないのではないかと思う。ジョー・ザヴィヌルの作品も70年代のウェザー・リポートはすごくいいが、『マイ・ピープル』(大傑作だが)のイントロのキン、キンというデジタルな音を聴くとちょっとガッカリしてしまう。デジタルシンセも出始めは「シンセでこんな音が出るのか!」と感動したが、今聴くとすごく古い。昔新しかったものは急速に古くなるのである。もっとも、演者もそう思っているようで、90年代以降のミュージシャン、たとえばジャミロクワイなどはアナログシンセを効果的に多用している。ザヴィヌルも晩年の音はすごくいい。デジタルシンセもプリセットのままではなくて、いろいろパラメーターをいじって深みのある音になってきている。また、80年代は80年代でスクリッティ・ポリッティやプリンス、マドンナ、あとチャカ・カーンの『Feel For You』やハービー・ハンコックの『Rock It』などのコテコテ80年代! という感じの音楽はまた吹っ切れていていい。しかしそれはまた別の話。

さて、70年代のマイルスだが、ここまで順番に聴いてくださった方は何をどう聴いてもいいし、ガンガン適当に聴いてるような気もするが一応今週のオススメ。

『ライヴ・イヴル』だ。



すごいジャケットでしょう。裏側もすごいよ。

さて、マイルスはキーボードによって年代を区切ることもできる。
ビル・エヴァンス、ハービー・ハンコック、ジョー・ザヴィヌル、チック・コリア、キース・ジャレット、マイルス自身、その他である。
しかしすごい顔ぶれである。
この頃はチック・コリアからキース・ジャレットへの移行期で、キースがフィーチャーされている。

この当時「俺のキーボード奏者ではキースが一番だな」とマイルスが言ったそうで、そのセリフをいたく気に入ってネット上で引用しているジャズファンが多い。でもぼくはあまり深い意味はないと思う。ガイジンはすごく人を褒めるからだ。ハービーもチックもザヴィヌルもそう言われてると思う。ときどき他のキーボーディストを貶めるためにこの言葉を引いているファンもいたりして、それはどうかと思う。

しかしこの時期のキースはスゴい。
キース・ジャレットはもちろんジャズ史の偉人だが(ジャズファンではよく知らないが)この時期のキースは特にスゴい。
エレキ時代である。エレピとハモンドをVの字型に設置して弾いたそうだが、とにかく楽器にかぶりつくようにしてがむしゃらに弾いている。

ドラムがジャック・ディジョネット。80年代からはキース・ジャレット・トリオの一員として20年以上演奏している彼だが、ノリノリの演奏をしている。特にM2「What I Say」がすごい。この曲、地球の音楽の中で一番ノリノリかもしれない。

ベースがマイケル・ヘンダーソン。もともとスティーヴィー・ワンダーのツアーに参加していたアフロ頭のベース奏者である。ぼくは彼こそがマイルスをファンクの世界で爆発した起爆剤だったのではないかと思っている。明るく楽しいベース。

パーカッションがアイアート・モレイラ。このレコードはときどき人の声が入っていて、それはキースがうめいているのではないかと言われるのだが、「ピアノとセックスしている」と言われるキースのウメキ声はもっと耳障りな感じで、レコード全体を通じて発している「Yeah!」みたいな声は、実はアイアートのものではないかと思うがどうだろうか。

そしてギターにジョン・マクラフリンが入っている。以下略。

さてこの作品はスタジオ録音曲とライヴがほぼ交互に入っている。

スタジオの曲はホニョーとしたなごみ系の曲で、ほとんど同じ曲が3回入っていて、よくわからない。まあライヴ部分が熱すぎるので箸休めみたいな? エルメート・パスコアールが参加していたりする。

しかしメインディッシュはライヴ部分だ。ワシントンDCのセラー・ドアというクラブで4日間10回に渡って行われたライヴのうち、1970年12月19日土曜日の様子を大胆・巧妙に編集して作られた作品である。

なぜ4日目だけ使ったかというと、マクラフリンが参加したのはこの日だけだったから。
これ、3日やっていて「どうも何か足りないな」と思ったマイルスが急遽呼んだという説があるがどうか。

とにかく炎の演奏。そして炎の編集である。

「What I Say」だけは無編集だが、それ以外は複数曲にまたがるマジックのような編集が施されている。当時の編集は本当にハサミで切ってテープでつないでいた。ときどきブツっと全然違う曲になる。これがまたカッコいい。聴きやすい、分かりやすい、盛り上がる!

マイルスはこのアルバムからエレクトリック・トランペットを吹いていて、パーカッションのクイーカ(片面にだけ皮を貼った太鼓の真ん中に棒が立ててあって布でこすって音を立てるもの)のような音を出していて面白い。もちろんアイアートによるホンモノのクイーカもいっぱい入っている。

「What I Say」は圧巻。21分の曲だが、地球上に存在する音楽で一番ノリノリなのではないだろうか。それはもうさっき書いたのではないだろうか。8ビート、完全なロック・ビートである。ジャズ好きにはジャズが上でロックが下という妙な思想を持った人もいるが、このメンバーがここまでストレートなロック・ビートの曲を、ここまで熱くやっているところを聴くと考えを変えざるを得ないのではないか。イントロから3分ぐらいキースに盛り上げるだけ盛り上げさせておいて「パッ、パッ、パッ」と出てくるマイルスが最高だ。エンディングをロック式に「ジャーン」と終わるのではなく「ここでやめればいいよ」みたいな感じでストッと終わって、マイルスが「サンクチュアリ」というウェイン・ショーター作曲の曲のテーマを「もう終わりだよ~」みたいに吹いて終わる。この終わり方もカッコイイ!(我ながら他に書きようがないのかという気もするが、他に書きようがない。)

そして最後の曲「イナモラータ/ナレーション」変なタイトルだが、演奏が最高に盛り上がってキースがものすごいソロを弾いているとき、なぜか男性のナレーション(詩)が被せられている。なんだこれ。その疑問の中、唐突にアルバムがフェードアウトで終わる。

さて、セラー・ドア・セッションだが、現存するすべてのテープが6枚組ボックスセットとして発売されている。現存する、というわけで完全セットではない。抜けているセットがあるし、1セット目の1曲目からしてフェードインである。

The Cellar Door Sessions 1970

6枚組、ろくまいぐみのCDって買ったことありますか。
ぼくは買った。これがいろんな意味で面白い!!!

まず、マイルスの演奏がやっぱり下手!
テオ・マセロって本当に頼もしい味方だなあ。炎の編集の妙を逆に知ることができる。でも、無編集のマイルスのいい加減さ加減と、それに合わせて行くキース他バンドの面々の超絶的な適応能力よ。

これ、6枚全部iPodに入れてトラック順に見ると、「Directions」という曲が5トラック並ぶ。「What I Say」も5回だ。
正直、同じ曲をそんな何回も聴く必要ないと思うが、聴き比べるのもまた楽しい。
連続して聴いてみるのも面白いよ。iPodがあってよかった。
「Directions」だけでプレイリストを作ってシャッフルして聴く、「Directionsイントロ当てクイズ」なども楽しめる。
金曜日第3セットの「What I Say」でマイルスの「パッ、パッ、パッ」に合わせてアイアートがサンバ・ホイッスルを「ピーッ、ピーッ、ピーッ」と吹いているのが楽しい。こんなことして怒られないのだろうか。

キースのファンはこの6枚組を絶対聴くべきだ。炎のソロが大量に入っている。「イナモラータ」の謎も解ける。

だが、普通に音楽聴いていればいい人がこの6枚組みを買って、「Directions」を5曲聴き比べる必要があるのか、という気もする。『ライヴ・イヴル』を買ったけど満足できない、でも6枚組はちょっと、という中間的な人は、各セットごとにバラでブートも出ているので、そっちをお試しで買ってもいいかもしれない。

なお、6枚組には解説がついていて、どの曲のどの部分がどの順番で『ライヴ・イヴル』に入っているのか解説されている。いかにテオの編集が大胆かつ考え抜かれているかが分かって興味深い。また70年代の電化マイルスを、マーカス・ミラーが「未完成のファンク」などと批判していたようで、6枚組のブックレットの文章でキース・ジャレットがマーカスを名指しで攻撃しているのも読んで楽しい。

マイルスはこの順番に聴け!(3)『Parisian Night』~ぼくのアルバム ベスト100(3)~

腕立て伏せにかまけて少し間が空いてしまったが、今日は3枚目。
『Parisian Night』である。
parisian.JPG
さて、これはブートレッグである。
もともと長靴に密造酒を入れて運んだのが語源とされているが、要は海賊盤である。
なにィ~? と眉をひそめる道徳的に正しい方もいると思うが、まあ聞いてください。

世の中にブートというと2種類あると思う。

(1)
・いわゆる売ってるレコードをコピーして
・ホンモノより安い値段で売っていて
・安いから売れるもの



(2)
・いわゆる売ってない音源(ライブの違法録音、ボツ音源の横流し)を編集して焼いて
・ホンモノより高い値段で売っていて
・手に入らないから買うもの

である。で、(1) は許せない(愛するミュージシャンの権利の侵害だから)とぼくも思うが、問題は (2) だ。

有名な中山康樹の『マイルスを聴け!』だが、文庫で1680円。473枚も紹介されている。これ、中身がほとんどブートなのだ。しかも、年々枚数が増えている。マイルスはとっくの昔に死んでいるのに、だ。毎月増えている。

たぶんマイルスの公演は全公演、誰かしらが録音しているのではないか。で、「何年何月何日の公演はまだ出ていないな。よし、出そう!」ということで、半ばムキになって出しているのがブート業者ではないか。

マーカス・ミラーの公式サイトにはブートについての意見が載っていてこう書かれている。(摂訳はぼく)

>あなたのブートレッグに関する意見を教えてください。

>エリック・クラプトンがぼくに語ったところによると、ブートレッグは成功の副産物だそうだ。
>ぼくもこれは正しいと思う。
>ぼくがその存在を知ったときは、
>まだガキだったんだが、自分でも買いたいと思った。
>どこで売っているか知っていればね!
>でも、自分が演奏するときは、警備員を雇って、
>デジタル・レコーダーを持った泥棒猫どもを
>すぐに捕まえられるようにしようと思ってるのさ。
>そうやすやすとやらせはしないぜ!

で、面白いのだが、同じサイトに今日紹介する『Parisian Night』の紹介が乗っている。

1982年5月3日、フランスはパリ、テアトル・ド・シャトレ? での演奏。
PA の故障があったので、マーカスはビルのテナー・サックスを借りて「ジャン・ピエール」のベースラインを吹いている、と書いている。どうです面白そうでしょう。

ぼくが中山氏の『聴け』を読んで、このCDの存在を知り、アーこれ買わなきゃ、聴かなきゃと思って渋谷の「マザーズ」に行った日を思い出す。場所が超分かりにくいのだが、根性でたどり着いて欲しい。日曜休みです。ネットはやってない。電話はある。

そこに万札を握り締めて行った。アー上京したての頃、ツェッペリンのブート(レコード)を探して西新宿に行った頃を思い出す。
入ってびっくり!
人ひとりようやく通れる通路を残して、CDやDVDがうずたかく積まれている。
パッと思ったのは、ホントに失礼なんだけど「なんかの事件起こした人の部屋・・・」というものだった。
店番の人がか細い声で「探してるのがあったら教えてください・・・」と言った。

置いてるのはマイルスだけじゃなくて、マザーズというぐらいでザッパ、あとプリンス、クリムゾン、そしてブートといえばこの人たち(イヤな“といえば”だなー)、ツェッペリンのCDがうずたかく積まれている。ツェッペリンは20枚組ぐらいが事務用のバインダーに入ってるのとかある。どんだけ熱心に聴けばいいんだよ。これ、ジミー・ペイジが来日したらうれしそうにどんどんタダで持っていって、サイン一枚置いていくと聞いたけど本当か。

さてマイルス。でも、題名とデータを知ってたからと言って、スッと探せるものではない。なにしろ平積みにしてあるのである。ここは勇を鼓して店番に聴く。

 俺:あのうマイルスなんですけど・・・
 店:ハイ
 俺:パリジャン・ナイトっていう
 店:いつごろですかねー
 俺:マーカスがベース弾いて、ジャン・ピエールをやっている、フランス公演で途中で停電になって。
 店:82年ですね
 俺:ええ(たぶん)
 店:うーん、どれですか(中山氏の本を差し出す。話が早いな!)
 俺:ああ・・・コレ、これ
 店:あー
 俺:ありますか
 店:うちにないものはないんですけど、ちょっと探すのに時間が・・・
 俺:探してもらえますか
 店:ちょっとお待ちください

店がヒマなときでよかったよ。本当に「探す」という言葉がピッタリの探し方。1枚1枚、これでもないし・・・これじゃないよな・・・みたいな探し方。

でも数分で見つかった。

 店:これですね・・・ジャケット違うけど。音がちょっとよくなってるんで

気になるお値段は5千円! 高い! でも買った。

家に帰るのももどかしく、開封して驚いた。盤面が青い! 明らかにCD-R!!!
チープさ、暴利さ、アコギさに腹立つよりも、1枚、1まい焼いている人の苦労が偲ばれる。

音楽は iPod に入れてから聞くほうなので、パソコンに入れて驚いた! 曲名が出てくる!!!
CDDB に登録してる人がいるのか。まあそんなに驚くことでもないのか。
でも目からウロコが何枚も落ちる夜である。

聴いて驚いた!(もううるさいって!!)音が悪い!!!

イヤー、期待して聴いたらガッカリすると思うよ。
ときどき思い立ってコンサートを違法録音して(いかんがな)家で聴こうと思うんだけど、ああいう感じ。
なんか「しゅわー」という雑音の中で狭い音域で音が鳴っている感じ。
欲しい人は覚悟して買ってください。

1曲目は「Back Seat Betty」。
この曲名はオープニングがギターで「じゃーん」のことを指すようで、そのイントロは一緒だけど中身は『Man With The Horn』とは違う曲。
復帰第3作『Star People』の1曲目にもライヴ録音が入っている「Come Get It」と同じアレンジのようだ。

この曲、ほとんどマーカスのベースが聴きどころのような曲だが、めちゃくちゃ面白い。最初は普通の曲なのだが、どんどんキーが変わっていく。ナニコレ気持ち悪い~この混沌とした感じがたまらない。

2曲目は「My Man's Gone Now」3曲目は「Aida」(『We Want Miles』の「Fast Track」。ややこしいな)と、ここまでは『We Want Miles』に入っている。ということで、ここまでは公式盤で手に入る。

が、公式盤とははっきり違うものがある。
まず、マイルスの演奏が下手!
音が外れるはずれる。

あと各人のソロが長い!
『We Want Miles』がいかにテオ・マセロの編集が入っているかがよくわかる。
でも両方聞くとこれが面白いのである。
同じ曲をいろんなヴァージョンで聴く、いろんな音楽を角度から分析する喜びがここにある。
だから毎月何枚もブートが出ているのだろう。

ここまでで1枚目が終わり。ちなみに2枚組。

2枚目の1曲目は「Ife」。
イフェという曲は「ドドドド、ドドドド」というベースラインのことである。
これに適当に不吉なソロを各人重ねていく。
中山氏も「これって曲なんだろうか」と書いていたが、その疑問もうなずける。
でもこれをマイルスが気に入って、70年代から演奏していた曲。

で「Fat Time」。
復帰第1作『Man With The Horn』のオープニング曲を、ぶっ速く演奏する。
これがカッコいい!
この頃にはこっちの耳が高性能になっていて、音の悪さは完全に気にならなくなっている。
スパニッシュな感じのソロがたまらない。
熱いよマイルス!

で、この曲が最高潮、ノリにノってる時に、急にブツンと音が小さくなる。
停電らしい。

すぐに復旧するとみんな思っているのだろう、しばらく演奏は続行する。
バアァッ、とマイルスが吹く音が遠くで聞こえる。

演奏は途中で中断。
マイルスが何かやっているらしく、客席から笑い声が起こる。

で、ここで上の説明にもあったが、ミノ・シネルのパーカッションに合わせて、マーカス・ミラーがテナー・サックスでベースラインを吹き始める。
マーカス・ミラーは自分のアルバムでもバス・クラリネットを吹いたりしていた。
この人は「ひとりギル・エヴァンス・オーケストラ」と言われるぐらいトッド・ラングレンとかプリンスばりになんでも出来る人。

で、マイルスが「ジャン・ピエール」を吹き始める。
強制アンプラグド・ヴァージョンだ!

で、この演奏が小さい音ながらに盛り上がって(そりゃ盛り上がるわ!)、終わった後、停電が直って、改めてエレキ入りで「ジャン・ピエール」。
本当はこうやるんですよ、みたいな!?(^^;
ところが今度は違法録音してる人の電池がなくなったみたいで途中でフェードアウト。なんやそれ!!!

ということで『We Want Miles』=>『Man With The Horn』=>『Parisian Night』。
これがぼくのおすすめする順番だ。
同じ曲を公式スタジオ盤、公式ライヴ盤、非公式ライヴ盤で聴き比べる。
マザーズの行き方も覚える。
あとは聴きまくるだけ!

ちなみにブートはネットで買ったほうが圧倒的に安いしラク。
店の名前は書かないので各自検索してください。

マイルスはこの順番に聴け!(2)『Man With The Horn』~ぼくのアルバム ベスト100(2)~

さて「マイルスはこの順番に聴け」の2。週イチのペースで書いている。

それで思い出したが、あるミュージシャンが好きになって、CD を買うとき、ぼくにも覚えがあるがガッとめくらめっぽうに買いそうになる。10 枚とか買って、ウンウン言いながら聴く。アレはあまりよくない。どれがどうだったかわけがわからなくなるのである。ぼくは新しいアルバムはせいぜい週に1枚にして、それを何度も聴く、その1枚の印象を大事にするようにしている。まあマイルスを1枚、Perfume を1枚、志ん生の落語の CD を1枚とかだったら混乱することもないのでまとめて買ってもいいのだろうが。本も本屋に行くのが面倒でまとめて買いそうになるが、そこをガマンして1冊を読んでから次の1冊に進むようにしている。まとめて買うと読み方にムラができてもったいない。

さて第2弾はこの1枚。『Man With The Horn』1981年、復帰第1作のスタジオ盤だ。



6年のブランクを経た復帰第1作。ぼくは当時リアルタイムで聞いていないかというと、実は聞いている。一時期「タモリのオールナイトニッポン」でよく掛かっていた。

当時このアルバムを待ちに待って聴いた人の感想は、
・体調が悪い悪いと聞いていたのが、意外と元気に吹きまくっているのでびっくり
・ポップに聴きやすくなっていてびっくり
・ベースのマーカス・ミラー、サックスのビル・エヴァンス(有名なピアノの人とは別人)、ギターのマイク・スターンという若手のド新人を起用していてびっくり
・しかもその新人がことごとくスゴいやつらでびっくり
ということだったらしい。

さてこのアルバム、全体に大きく2つに分かれている。1、2、4、6のおなじみアル・フォスターがドラムを叩いている曲と、3、5曲目のヴィンス・ウィルバーンがドラムを叩いている曲だ。

ヴィンス・ウィルバーンはマイルスの甥で、蟄居中のマイルスの家を何度も訪れて「おじさん、音楽を教えてよ」とせがんでドラムを習い、それが復帰のキッカケになったというちょっとイイ話。ちなみに3曲目、5曲目の作曲に参加した Randy Hall という人はヴィンスの幼馴染で、当時流行していた AOR みたいな音楽をやるミュージシャンだそうだ。まだ聞いていないがこういうアルバムもある。

ヴィンスが叩いている2曲はかる~い雰囲気で、これに続くマイルスのポップ路線のさきがけとのような感じ。ヴィンスのドラムもかる~い感じ。

3曲目「シャウト」はビールだか車だかのコマーシャルにもなった軽快な曲。いわゆる「フュージョン」の代表曲という気がする。これ、「パァ!」という音が「シャウト!」という歌詞がついてるんだと思うのだがどうか。ランディのアルバムに歌バージョンが入ってるんだろうか。

5曲目「マン・イン・ザ・ホーン」ではランディがヴォーカルも取っている。これは当時流行の AOR、マーカス・ミラーも参加したグローヴァー・ワシントン・ジュニアの「ジャスト・ザ・トゥー・オヴ・アス」(当時のタイトルは「クリスタルの恋人たち」)みたいな音楽である。曲の内容はマイルスを称えるアンセムで、よくぞ帰ってきてくれました、という感情が高まって泣かせる。

しかし、メイン・ディッシュはなんといってもアルが叩いている4曲。この時点ではやっぱりアルとヴィンスじゃ格が違う感じ。中山康樹氏が『マイルスを聴け!』の中で書いていることとダブるけど、ヴィンスが叩いている2曲は、当時聴くと最新のことをやっているが、それがかえって、今聴くとすごく古い気がする。(古いからじゃあ悪いかというと、80年代のいわゆるテクノ・ポップと一緒でそこが楽しいのだが。)しかし、アルが叩いている4曲は、マイルスが昔からやっていることをやっているのだが、今聴いても全然新しい。

では昔のアルバムと同じかというと、違う。新しくなっている! サウンド、特にエコーの利かせ方や曲の切り方など、テオ・マセロの手法がめちゃくちゃ新しくなっている。

1曲目「ファット・タイム」の出だしからしてすごい。いろんなアルバムの出だしを聴いてきたが、このアルバムの出だしほどカッコいいのはそう聴いたことがない。特に工夫なく、普通に演奏が始まるだけなのだが、このカッコよさはなんと表現すべきか。聴いてもらうしかない。そして、マイルスのミュートしたトランペットが「ぴっぴっ」と小出しに出てきて、曲に入るところがたまらない。そしてこの曲の終わり方がまた、腰が抜けそうになるほど衝撃的にカッコいい。

(カッコいい、カッコいいと書いていて批評になっていないが、このアルバムはジャケットも死ぬほどカッコいい。CDのジャケットで一番好きなうちの1つである)

2曲目「バック・シート・ベティ」はこの後マイルスのライヴのオープニングを飾る曲だ。『We Want Miles』では2曲目に入っているが、ライヴ盤ではオープニングの「ジャーン」がカットされていて、エンディングにだけ生かされている。このへんのさじ加減がすごくカッコいい。聴くほうの心理状態を読みきってもてあそんでいるのだ。テオ・マセロ恐るべし! ところでスタジオ盤の方のこの曲、いくらでもカッコ良く終われると思うのだがなぜトートツにフェード・アウトするんだろうか。

4曲目「アイーダ」は『We Want Miles』の「ファースト・トラック」のオリジナル低速版。ライヴ高速版の衝撃もすごいが、低速版もスゴい。まず普通にメロディを演奏して、繰り返しでキーを上げ、速さを倍速にするところが鳥肌が立つ。

こんな曲を聴いていると思うのだが、ジャズは「カッコいい音をただカッコよく出すだけの音楽」ではないか。そこが魅力だと思う。巷間あふれるポップスは、とっつきがいいけど、いろいろ手続きがある。音がいっぱい入っていて、歌詞があって、ジャケットとかヴィデオ・クリップとか凝っていて、初回特典の DVD とか小ざかしい物がついていて、耳慣れた安全な、無難な音楽にするための約束事がいろいろくっついて来る。

ジャズはその点違う。カッコいい音が、ただカッコよくドーンと出てくる。何回も出てくる。場合によっては 20 分ぐらいやっている。で、やるだけのことをやり終わったらサッサと終わってしまう。そこが魅力だと思うのだ。どっちがいいとか言ってるわけじゃないよ。食べ物にたとえると大メーカー製のチョコとかカップラーメンのようなとっつきのいい食べ物は結構包装やコンテンツに約束事があって、肝心の食べ物部分は意外と量も少なくて味も保守的だったりするのだが、そうじゃなくて魚屋の裏口で最上級のマグロの赤身をドーンと固まりでもらって、回りの目も栄養のバランスも気にせずにマグロの赤身だけを醤油をつけてただ食べる。ただマグロの赤身をむさぼり食う。そういう快感があると思うのだ。もちろんぼくもチョコやカップラーメンは大好きだ。パッケージされたポップスのヒット曲も大好きである。しかしそういうのとはもう一つまた別の、ただカッコいい音楽にのめり込む瞬間というのがあって、それがマイルスにはあると思う。それを、ふだん普通のポップスを聴いている耳にも分かりやすく感じることができるのが、本作の「ファット・タイム」であり、「アイーダ」であると思うのだ。

6曲目「ウルスラ」はフォービートの曲だが、これもまったく新しい音楽だ。余談だが、たまに後期マイルスがフォービートの曲をやると「やっぱりフォービートの曲がいいネ」という人がいるが(『パンゲア』の終わりの方でフォービートになって安心したとか)そういう人はそこまでガマンして聴いてるのだろうか。無理しないで普通のジャズを聴いたほうがいいと思うがどうか。

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